インタビュー/PFIを翔ける
PFI総合専門誌 PFInews(2000.12.10第18号)<発行 プロジェクト・ファイナンス・レビュー社>

地域開発のコンサルタント/シンクタンク、(財)都市経済研究所(東京・新橋)が自治体のPFIプロジェクトのパートナー/黒子として頭角を現している。
庁舎のPFIモデルとなった福島県川俣町の事業調査を手掛け、脚光を浴びるようになった。その中心人物が上妻さん。「地域おこし、街づくりにつながるPFIを目指したい」と、ライバルとは一味違った戦略を語る。
(財)都市経済研究所は、中心市街地の空洞化や集落地域の過疎化の問題を得意としてきた。地域活性化を研究、コンサルティングの中心テーマにする。
「PFIも地域を元気にするものでなければならない」。
そこには(財)都市経済研究所が長年、地域の問題と格闘してきた誇りがにじむ。
「地域の視点を欠いたPFIはいずれ、地域の反発を買う」と、断言する。
確かに、今は中央の大手ゼネコンなどがPFIの実績づくりから、捕鯨船が雑魚をすくうようにどんなPFI事業にも手を出している。中央の企業にはまだ、それが地域にどう映っているか、考える余裕はない。しかし、上妻さんは地域と歩んできた経験から、中央主導のPFIに危機感を抱く。では、中央と地域が連携する妙案はないのか。
「事業の中で組むようなことを考えたらどうか」。
中央の企業はそのノウハウを地域に移転し、維持管理などは地元に明るい地域の企業に任せたらいいと提案する。
地域は今、市町村合併の大波に洗われている。自立できない地域は、大都市のM&Aの餌食になる。
「そうならないためにも、地方でのPFIは地域資源活用型にして、地元に事業効果が還流するようにしなければならない」。
地域を強調すると、何か地元優先と見られ、競争、透明性をうたうPFIの趣旨に反すると受け取られやすい。上妻さんもそれは承知で、「地域で固まるのは良くない」とキッパリ言う。
地域は風通しが良くなければ発展しないというのが持論で、PFIの精神である民間からの自由な発想に徹すれば、PFIは地域内で行政、企業、住民がパートナーシップを組み、中央と地域が交流する起爆剤になると見る。
「そうしないと、PFIは地域の活性化につながらない」−明快にそう説く。
川俣町のPFI事業調査は99年度に実施。「町がPFIをはっきりと行財政改革推進の手法として位置付けたのが良かった」と評価する。
調査では、「行革と連動させることでVFMを確保する事業スキームを構築した」−PFIを上下水道など町の職員数を見直すことにつなげたのだ。
川俣町と縁が深く、99年1月から、同町の東京事務所の責任者も兼任する。地方の小さな町にもかかわらず開いていた事務所が閉鎖されたことで、「事務所を買って出た」そうである。
上妻さんの地域への目配りを忘れない姿勢はそんなところにものぞく。
2001/02/02update
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