インタビュー/歩行者を大事に 電線地中化など整備必要
琉球新報社・沖縄銀行共同調査 再生・商店街 第2部 県外先進地<2000年4月6日(木)琉球新報9面経済面に掲載>
昨年11月から57回にわたって掲載した「再生・商店街」。第1部は「衰退」をテーマに再生に取り組む県内商店街の事例を、第2部では「県外先進地」と題し、活性化に取り組む県外の商店街を紹介してきた。連載終了にあたり、宜野湾市や石垣市のプロジェクトにかかわる財団法人都市経済研究所理事の上妻毅氏に話を聞いた。
−中心市街地活性化法といった街づくり三法の制定など、商店街の再生について思うことは。
「中心市街地活性化の軸足は街づくり。商店街再生という切り口だけでもかなり厳しい。活性化法の難しいところは、市街地整備と商業活性化という両輪の時間軸の違い。例えば、投資から利益回収まで五年くらいのタームでみるのが商業の軸だが、一方で市街地整備は五年ではできない。やはり十年、十五年必要。この時間軸のズレをどう埋めるかが問題。各市町村は実際、どれだけ効果を上がるのかがまだ見えていない」
−商店街が衰退している一番の原因は何か。
「後継者がいないとかいろいろあるが、第一の問題点はモータリゼーションに対応できないような街の構造にある。消費者の消費行動もアメリカ化している。特化した戦略を持っている商店街は別だが、社会全体のモータリゼーション化が進み、もともとある商店街、市街地の構造がそれに対応できない」
「売り手の販売努力が足りないとの議論もあるが、個人の商店主がいくら努力してもどうにもならなかった構造的変化もある。ただ、衰退商店街の現場の話を聞くと、『自分の代が食えるからいいや』といった雰囲気で、次の引き継ぎ手にやらせるため頑張ろうか、一方の引き継ぎ手も『先代が頑張っているから自分も継いでいこう』という店が少ない。それが空き店舗という形で表れている。
−街づくり三法はどう活用できるか。
「中心市街地活性化法の一つの目玉はTMO(タウンマネージメント機関)。中心商店街全体を一つのショッピングモールと見立て、商店街として大型店に対抗していく。定住者、コミュニティの核として人を集める仕掛けづくりを進める。TMOの意義は本当にやる気のある人がリーダー、社長になって街づくりがやれるということ。商店街を含めた次の時代の街づくりに一定の権限を持って、公的資金や各種支援策の受け皿になれる」
「商店街にしたたかさがあっていい。例えばTMOを立ち上げるとき、出資をどうするか。出資比率の問題はあるが、郊外立地を希望する大型店にも出資させてはどうか。要はロードサイドで設けるだけでなく、中心市街地の活性化にも貢献せよ、と。したたかに、自分たちの新しい街づくりに巻き込んではどうか」
−どうすれば商店街は再生に向かうか。
「商店街だけに目を向けると対症療法的なことしかできない。モータリゼーションだけではないが、商店街は流通の構造変化の中で落ち込んでいった。もう一度これからの時代にどう対応できる街をつくるのか、街の構造、ハードもソフトも含め街づくりの視点からスタートすべきだ。要は歩行者を大事にしていくこと。ハードでは電線地中化やバリアフリーなどの整備がある。ソフトでは商店街が出前やアフターメンテナンスをし、コミュニティーポイントカードもある。さらにエコマネー、地域マネーなど新しい仕掛けと合わせてロードサイド店と対抗していかないといけない。」
(聞き手「再生・商店街」取材班=前泊博盛氏)
2000/4/21update
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