財団法人都市経済研究所

重点プロジェクト


与那国の美しい海 海底遺跡 日本最西端の地碑 名産・与那国織
第一回「与那国自立ビジョン支援・東京会議」
日本で一番遅く見れる夕日 さとうきび畑 与那国は蝶の島 与那国馬

与那国自立ビジョン支援・東京会議前半


◆座長・上妻 毅(財)都市経済研究所常務理事(東京会議開催の趣旨と経緯)



◆ご来賓・尾見 博武 国土交通省国土計画局長のご挨拶


◆尾辻 吉兼 与那国町長ご挨拶


◆出席者のご紹介と「与那国自立へのビジョン策定推進協議会」座長・島袋 純琉球大学助教授からのメッセージ


島袋純先生からの「東京会議」へのメッセージ

◆ご来賓・塩川正十郎先生(前財務大臣)ご講話


◆吉元 政矩 沖縄21戦略フォーラム代表による基調講演

「戦前からのつながりもあり与那国は花連と姉妹都市を結んだ。花連市は国際港湾・国際空港を持つ大都市だが、与那国は花蓮市と生活圏を共有できるのかという課題がある」。

「たかだか100km程度の距離にバリアがある。例えば、石垣あるいは那覇から飛んだ飛行機は与那国上空に来ると台湾の航空管制の下に入る、つまり、与那国は台湾の軍事体制下における管制エリアに入っている。72年の沖縄復帰以前にあった日米安保,日本と台湾の安保,その役割分担による『防空識別権』が未だに残されている」。

「国土計画局長のお話にもあった領土,国土,海域,国境線。改めて‘国境とは何ですか?’という問題が問われている。尖閣,竹島,北方四島,いま話題の沖ノ鳥島の問題,そして与那国。いずれも国境の問題だが、問題意識は充分だったか。日本はかなりルーズなところがあるのではないか」。

「本来ならば‘国境のない経済圏’が出来上がっているべき。もう出来上がっているところもあるにもかかわらず、まだこの種の問題が片づいていない。そこに世界第二の経済大国日本の政策的欠陥はないか。地域の問題、国の端の問題、領海・領空・領土の問題をいま一度見直さないといけない」。

「与那国から相談を受けた時、この何十年かを振り返りながら‘これは容易ではない’と思った。この仕事を本気でやるとするなら、沖縄県だけが担いでも荷が重い。やはり国レベル、政治の力・国の組織を含め、国境の問題に向き合わなければ難しい」。

「国境の島に住んでいる人が、市町村合併の統一的な枠組みの中、大都市と隣接している市町村や地続きの小規模町村の合併と同じような形で取り扱われる、これも問題だけれども、まして『離島』の問題をそういう感覚で取り扱うのは間違っている。そういう問題意識も含め取り組んできた」。

次に、新しい経済圏形成へのグローバルな動向についても言及されました。


(以下コメント)

「昨年5月、EU憲法の素案ができ、年末にはEU25カ国が2007年までに憲法条約を批准することとなった。アメリカでは北米3カ国が自由貿易協定を結んでいるが、2005年12月までに、キューバを除く中南米を全部まとめた35カ国が自由貿易地域を作ろうという南北アメリカ経済圏の形成が進められている。本来最も早かったはずの東アジアがいちばん遅れている。そこで、まず、この状況をアジア諸国に最も近い位置にある与那国から見てみようと」。

「沖縄の北には日本。1億3千万の人口を抱える世界第二の経済大国。鹿児島と同じ距離に中国。人口13億,年10%近くの経済成長を今もって続けている。南にはASEAN10ヶ国。関税5%の実現に3ヶ国を残しているが、2007年までの関税ゼロをめざし盛んに議論している。東には、遠いけれども南北アメリカがある。それを共通につないでいたのがAPECだったはず。95年のAPEC大阪会議は、実は沖縄にとっても重要な会合だった。2010年までに先進国は投資の自由化・資本の自由化・貿易の自由化を遂行するという目標が掲げられた」。

「かつて県にいた時、東アジアにおける沖縄のあり方を検討し、新しい沖縄の将来像を描いてみようということで、都市経済研究所とも相談しながら、『21世紀・沖縄のグランドデザイン』を作った。今回、与那国から呼ばれ、この構図が再び頭の中に蘇っている」。


(以下コメント)

「与那国から東アジア・東南アジアを見る。これからの与那国の生き方を考え、築いていく上で少し心豊かになれやしないか。かつて台湾との間には自由往来があった。教育も向こうで高等教育を受け、働く場もあった。そういう近い関係にあった台湾に姉妹都市がある」。

「今日、さまざまな交流や新しい経済圏が形成されている中で、あまりボーダーを強化しバリアを高くしても仕方ないという時代に入っている。にもかかわらず、与那国はやはり那覇・東京を見なければ生きていけない。そういう中、交付金はどうなる?補助金は?自立のためにどうする?といった問題に直面している。しかし、時代の流れは少し違うのではないか。与那国が本当に自立するためにはどういうビジョンを持てばいいのか。『自立ビジョン』の基本がここにある」。

「2008年の北京オリンピック,2010年の上海万博。アジアで2つの平和祭典がある。一方、危険と言われている二つの問題。一つは北朝鮮,もう一つが台湾と中国の関係。3月には台湾を独立させない特別立法を中国も作るだろう。但し、今後どうなるかについての見方は分かれる。この東アジアで、ASEAN10ヶ国と中国・韓国・日本の10プラス3が、何をめざして走っているのかという点に着目したい」。

「昨年9月、国連での小泉総理の演説でも『東アジア共同体』という言葉が使われている。つまり、10プラス3の13カ国を基軸にした東アジア経済圏。ゆくゆくは経済共同体、さらに、EUのような安全保障も含めた新しい共同体をめざしていくのではないか。この動きを前向きに捉え、将来を見通してみたい」。

「そうであれば、一足先に、与那国が『台湾との関係』でそうした仕組みを実現できないのかと。これが与那国1,800名の住民のこれからに大きな意味を重ねる」。


「昨年10月16日の住民投票は中学生にも投票権があった。結果、‘合併はノー。与那国は自立する’。町長の挨拶にもあったように、尾辻町長自ら相当厳しいリストラを発表した。少し前なら反乱が起きたかも知れない。しかし、‘自立する’ことを自ら選んだ。そして、さまざまな住民代表が参加する自立ビジョンの協議会が動いている。そうした中で町長のリストラの決意について住民は理解を示した」。

「では、これからどうする。金がないから財政を縮小しリストラをしますというだけでは済まない。ここが『自立ビジョン』の要。結論は、与那国島1,800人の住民が自ら立ち上がり、自ら行動していくこと。そして、与那国に墓を持ち戸籍を持っている私のような者、今までは熱い思いで声だけは出してきたけれども、今度は声だけでなく、それぞれの力やノウハウを支援に結集していこう、と」。

「今日は東京の与那国郷友会の方々にも来ていただきました。もちろん那覇でも動いています。石垣でも動きが出ています。つまり、与那国の出身者、与那国が好きな人、島の外にいる人的財産を組織化して、いろいろな形で関わっていこうということ。関わってもらう以上は、地元もこれに対応する体制を整えなければならない。どうする? 役場だけでは荷が重い。役場は多くの重要な役割を担っているが、仕事は縮小せざるを得ない。ならば自治公民館も公的な役割を担い、協働しましょうというところに来ている」。

「早ければ9月にも新しい条例ができるでしょう。いま、公民館長が中心となって、地域のコンセンサスを形成している最中です。文字通り『自立』にふさわしい地元の体制を作る。しかし、それだけでは力が及ばない部分もある。例えば、与那国からいちばん近い、隣の台湾との直接交流にどう突破口を開いたらよいのか。皆さんの知恵をお聞かせいただきたい。自立への挑戦を決断した与那国にご支援をいただければありがたいと思います」。

◆田里千代基 与那国町PT・特命推進班長による現地報告


◆上妻座長からの「国境交流」についての補足報告



→東京会議後半へ



■会議録(各位発言要旨)

■関係資料・その他


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公開日:平成17年(2005)3月2日


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